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池田和泉さんのSTORY 「今日も、生きてるじゃん」。「不安」を「覚悟」に変えた一歩

人と会って、話して、笑うことで得られるもの

病気の不安を抱える中、いちばんの励みになったのは、人との関わりです。
病気についていろいろと知りたくて、SNSで探してみると発信している人がたくさんいるんですね。「いまこういう状態です。同じ経験がある方いませんか?」と投稿すると、先輩たちから丁寧に返事をもらえました。
それに、患者会などのコミュニティにも参加するようになりました。自分の辛さを聞いてくれる、相手の辛さも聞く。そうしたやり取りが、「自分は一人じゃない。もっと頑張れる」っていう大きな力になるんです。
参加する方はみなさん、「生きる力になるね」って言うんです。抗がん剤治療でつらい中、どうしても会には出たいからって、寝た状態で参加する人もいます。私も「あ、今日1時間、笑顔でいれたな」って思ったことがたくさんあります。普通の人間関係と同じ。人と会って、お喋りして、他愛もないことで笑う。それがとても大切なことなんです。

私も、そうした場所で自分の経験を伝えていきたいと思います。例えば、手術後にとにかくお尻が痛くて、ネットで調べたらみんな円座を使っているのがわかりました。たくさんの商品を試してみて、お勧めのものがあります。ポイントは固さ。柔らかいと体重でつぶれちゃうけれど、固すぎても痛いんです。
こうしたことも、誰にも教えてもらえません。自分と同じ病気になって、同じような疑問や壁にぶつかっている人の力になりたい。いまはいろいろなイベントに参加していますし、日本オストミー協会(人工肛門・人口膀胱保有者の障がい者団体)では役員もやっています。

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