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西舘 澄人さんのSTORY 「死ぬ時にゼロになるくらいでいいや。」大病きっかけで変わった人生観

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できることをやりながら、次の世代へ

家内が罹患したがんは、GISTという稀少がんでした。発症率は10万人に1人くらいです。罹患した時は治療法がなく、転移がいくつもできてしまい、手の施しようがないという状況でした。ただ、ちょうど新しい薬が出てくる時でもありました。その薬をなんとか早く使えるようにしようと、署名活動をお手伝いしたのが患者会活動のはじまりです。「こういう活動をしてかないと女房助かんないだろうな」って。
GISTの薬というのは延命のための薬で、治す薬じゃないんです。新しい薬を一刻も早く承認してもらわないといけないし、その次の薬も早く開発されないといけません。そのために、製薬企業さんや厚労省、病院などに働きかけていく必要があるんです。最近は、いろんな稀少がんの患者会とも連携して、新しい団体づくりなどもしています。

この活動をはじめた2003年は40代でした。60になっても当時と同じ熱量でいるつもりなんですけど、たぶん、そのあたり変わってきているような気もします。まわりの人たちも高血圧の治療を始めたり、年をとったりしてきています。自分たちもいつか活動できなくなる。そう考えると、どこかで人に引き継いだり任せたり、どんどん変えていかないといけないという気持ちがあるんです。がんに限ったことではないかもしれませんが、病気って5年・10年で完全になくなるものではないでしょ。患者さんたちのサポートとか、政策提言とかしていく人材をどんどん育て、引き継いでいく必要がありますよね。「新しい世代につないでいく」というか、そういう思いが病気をしたことでより一層強くなりました。

「患者さんのサポートをいろんな角度から考えよう」。企業でも、個人でも、そういう方がどんどん出てきています。そのなかで、「これはおもしろいな」とか、「ここは育ってほしいな」とか、自分で勝手に思っているところがあります。そういうところには、極力協力していきたいです。
昔に比べたらWebの使い方がすごく簡単になって、何かサービス始めたいとなると、すぐに人が集まれるようになってきたじゃないですか。そうしたいろんなサービスと、患者会活動が合わさって何かいい化学反応が起きる。そこに関われたらなというのもありますし、自分で動いてできることはやっていきたいと思っています。

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