佐藤 陽子さん(仮名)のSTORY 知って欲しい、高次脳機能障害のこと。当たり前ではない今日を大切に生きる。

退院して明らかになった後遺症、高次脳機能障害
家に帰ってきてからは、もう光の刺激、音の刺激でいっぺんに疲れてしまって。病院にいる時は運動しても大丈夫だったのに、電車に乗った途端に寝てしまうとか、疲れやすいことにすごくびっくりしました。ひたすら疲れる。光のチカチカが何か嫌で、疲れるんです。強い光は我慢できない、日光もサングラスが要りました。
換気扇をつけると料理ができないこともありました。その音に引っ張られてしまって。それにスーパーも困りました。「卵買わなきゃ」って卵をカゴに入れると、店内をまわっているうちに忘れてしまい。もう1パック卵を入れて、でもまた忘れて、気づいたら3パック入れてたり。人の合間を縫って歩こうにもタイミングがつかめないし、たくさんある商品のパッケージがうわっと訴えかけてきて、どれを取っていいか選択できませんでした。脳外の先生にも相談したんですけど、「くも膜下出血だから仕方ないですね」と言われるだけで。どうしようという感じでした。
なぜ疲れるのか全然わからなかった時に、鈴木大介さんの『脳が壊れた』という本を見かけて、衝撃的なタイトルだったので手に取って読んでみたところ、高次脳機能障害のことなど、いろんなことが書かれていました。「あ!これ自分と同じだ」と。初めて高次脳機能障害を知り、その影響で脳疲労を起こしているから疲れやすいのかもしれないと気が付くことが出来ました。
退院してから自費のリハビリに通っていたので、そこの先生に身体のことを見てもらいつつ、高次脳機能障害のことであったり、生活のアドバイスであったり、いろいろフォローしていただくことになりました。