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佐藤 陽子さん(仮名)のSTORY 知って欲しい、高次脳機能障害のこと。当たり前ではない今日を大切に生きる。

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一瞬にして人生が変わる

くも膜下出血になったことで、人の本質が見えてくるみたいなところがあります。親身になってくださる方もいれば、本当に嫌なことを言ってくる人もいて。電車でヘルプマークをつけて座っていたら、嫌味を言われたこともありました。

一番きついなって思っているのは、善意と思って言われる言葉です。しばらくは、「生きてて良かったね」と言われるのもすごくつらかった。「生きててくれて良かった」って言われたら嬉しいんだけれど、生きてて良かったかどうかを決めるのは私でしょって。
医療従事者と話をしていても、「くも膜下は死ぬ人3割、後遺症3割」と言われると、助かったんだから我慢しなさいよみたいに、患者の側としては思えてしまうところがあって。そういう言葉がやっぱりつらいなっていうのはありました。それから、高次脳機能障害って本当に理解されていなくて、大学病院ですら、看護師さんに「高次脳機能障害があるのでゆっくり話してください」とお願いカードを見せたら、はあ?とか言われることもありました。どっちの後遺症が良いとかの問題ではないのだけれど、身体の後遺症の方が分かりやすい、高次脳機能のことは見えないから。

高次脳機能障害のことがどうすれば理解されていくのかなと。そう思って、いま自分の想いや体験をブログにつづって情報発信しています。嫌なことを言う人もいるけれど、情報発信していると、コメントがきたり交流もたくさんあって、それがいまの生活の支えにもなっています。「勉強会で話をしてくれませんか?」とか、「教科書では習わない大事なことを教わった気がします」とか、療法士さんや学生さんとの思わぬ出会いもあって、受け止めてくれる人がいるっていうことも支えです。病気をして、将来的にやりたいと思っていたことがいっぺんに崩れ去りました。「行ってらっしゃい」と見送って、「おかえり」と迎えることができないこともあると知りました。些細なことですけど、ケンカしてても「いってらっしゃい」は笑顔で言おうとか、やりたいと思ったことは後まわしにしないほうがいいんだなって思いました。

「一瞬にして人生が変わる」、これってなかなか耐えられることではないと思います。身体のリハビリがあるんだから心のリハビリもないとダメなんじゃないか。病院主催の脳疾患の当事者会ってなんでないんだろう。当事者だからこそわかることって多いと思うんです。こういうことって影響力がないと届かないかもしれないけれど、「思ってるよ」っていうことを伝えていきたいです。

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