{@ member.last_name @} {@ member.first_name @}

榊原由佳さんのSTORY 「私」が納得できるまで。一つひとつの選択が”いま”へとつなぐ

恐怖ではなく積極的に「生きたい」という想い

日を改めて、マンモグラフィーや細胞診、MRIなどの詳しい検査を受けました。精密検査の結果が出るまでは「何かの間違いでありますように」と願掛けをしながら過ごしました。「白い食べ物は体に良くない」と聞いて、お米や白砂糖、小麦粉を避けたり、当時飲んでいたサプリメントの量を増やしたり。
後日、改めて乳がんだと告知されました。それまで間違いじゃないかと疑っていましたが、さすがに認めざるを得ません。
このとき、死に対しての恐怖は感じませんでした。私はクリスチャンで、死んだ後どうなるのかということは、長年学んでいます。自分の中での変化は、「生きよう」という力がわいてきたこと。病気になったものは仕方ない。でも、生きたい。
頭に浮かんだのは、親のことです。親より先には死にたくない。私は独身で、子供もいません。せめて、自分の葬式に参列させるような親不孝は避けたかったんです。
まずは治療に専念しなければいけない。病気について職場に報告したら、あたたかく励ましてもらいました。当時の上司は数年前に白血病を患っていたので、「僕ら、がん友じゃん」と冗談で返してくれて、嬉しかった。もう一人の上司も、親族にがん患者がいて治療の大変さをご存じだったようで、「本当に無理しなくていいからね」と声をかけてくれました。

次のページは:抗がん剤も手術も必要なくなると勘違い