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鈴木 誠さん(仮名)のSTORY もう、間違えない。”サビ”を落として新しい自分になる

起き上がろうとしても手に力が入らない

脳内出血を発症したのは、2019年3月のことです。私は昔から歌謡曲が大好きで、歌謡曲バーで知り合った仲間とよくお酒を飲んでいました。ある土曜日に、深夜まで深酒。日曜日のお昼11時半頃に一度トイレに起きて、「もう少し寝よう」と横になり、2時半頃になってようやく動き出そうとしたときです。
手をついて起き上がろうとしても、なぜか力が入らない。「よいしょ」と立ち上がりたいのに、体がゴロンと横に倒れてしまいます。反対の手を使おうとしても、体が言うことを聞きません。
はじめは、二日酔いのせいだろうと思いましたが、布団の中で15分もがき続け、ようやく、「これはおかしい」と気づきました。救急車を呼ぼうと、ほふく前進でなんとか固定電話の近くまで行きましたが、電話は少し高いところにあって、手が届きません。タンスの取手に手をかけて立ち上がろうとするけれど、力が入らない。そのうち、汗がダラダラと垂れてきました。「どうしようか」と焦っていたら、そばにあった携帯電話に気づき、やっとの思いで119番にかけました。
救急車は10分ほどで到着しましたが、窓も玄関も閉まっていて、救急隊の方が中に入れません。家の外から、「玄関か窓を割って入ります。どっちがいいですか」と聞こえます。玄関のほうが修理代は高くつくだろうと金勘定が働いて、「窓でお願いします」と答えました。後で確認したら、窓の鍵の横にきれいな穴が開けられていました。
その日は、午後に少し出勤し、夕方には好きな歌手のイベントに友人と出かけるつもりでした。行けなくなったことを早く知らせなければと、救急車の中から上司と友人に電話。実家にもかけましたが、そのときにはもう呂律が回っていなかったようです。救急隊の方が私の代わりに母に事情を説明してくれました。
そこから意識がどんどん薄れていき、病院に到着してから夜までの記憶はありません。MRIの検査などを受けていたと聞いています。

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