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鈴木 誠さん(仮名)のSTORY もう、間違えない。”サビ”を落として新しい自分になる

お酒を飲まなくても、毎日は彩りに満ちている

私が倒れた翌年の元旦に、歌謡曲サークルの一人がくも膜下出血で急死しました。私が倒れた後に会ったとき、「深酒が原因かな」と笑っていた、その矢先です。私の退院後、他にも2人の知人が脳内出血で亡くなっています。
3人の共通点は、倒れたのが夜だったことです。脳内出血は、「発症から4時間以内が勝負」と言われています。寝ている間に発症したら、自分でも異変に気付かないうちに亡くなってしまう。私は昼間に発症したのが幸いでした。
周囲の人たちが同じような病気で亡くなる中、幸運にも生き延びることができた。私は、「自分は生かされたんだな」と考えるようになりました。生かされたからには、これからの人生を有意義なものにしていかなければいけません。
倒れる以前とは、生活が180度変わっています。ストレスの発散法は、お酒やギャンブルから睡眠に変わりました。20時くらいになって、あくびが出た頃に「さあ寝よう」と布団に入り、3時頃に起きる。しっかり寝れば、本当にストレスが消えるんです。
平日は5時過ぎに家を出て、6時前には仕事を始めています。寒いときはおっくうになることもありますが、休日もなるべく外出するようにしています。体重は15キロほど減って、72キロくらい。以前は気にしていなかった血圧も、毎日測って気を付けています。家事もずいぶんするようになりました。部屋を掃除し、洗濯をして、ご飯を炊き、ちょっとした料理も作ります。家でテレビをポケーっと見て過ごすことは、もうありません。
いまの趣味は、小旅行です。私は「乗り鉄」で、電車に乗って栃木や群馬などへ少し遠出し、気ままに散策するのが本当に楽しい。空気のいい場所で、背伸びをする。タバコの煙が充満するパチンコ屋さんで、じっと座って右手しか動かしていなかった頃には想像もつかなかったことです。
田舎に行けば行くほどバリアフリーではないところが多く、それがちょうどいいリハビリにもなります。手すりを使って自分のペースで階段を上がってみる。東京のように人が多くないので、周りを気にせずに動けます。
先日は、3日間で九州を半周しました。九州内のすべての私鉄とJRの普通列車が乗り放題の切符があるんです。鉄道ファンは、列車に乗ってリフレッシュすることを「鉄分を補給する」と言います。週末に鉄分補給すると、月曜日からとても元気に過ごせます。
お酒は、発症して丸3年はまったく飲みませんでしたが、最近少しだけ飲み始めました。でも、もうたくさんは飲みません。350mlの缶ビールを1本飲めば、「もういいや」と自然に満足できます。歌謡曲バーにはいまでも時々顔を出しますが、お酒はほどほどにしています。
以前の私にかける言葉があるとすれば、「大変だったな」です。仕事が忙しいよな、ストレスも溜まるよな、それは仕方ないけれど、対処法を間違えていたんだよ。仕事が大変なのは、いまも昔も変わらない。でも、もう間違えることはありません。

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