鈴木 誠さん(仮名)のSTORY もう、間違えない。”サビ”を落として新しい自分になる

深酒と大食い、ギャンブルでストレス発散
当時の私は、仕事があまりうまくいっておらず、自暴自棄のような生活でした。家はゴミ屋敷で、休日は家でゴロゴロするかパチンコです。身長169センチの、体重87キロ。お腹がボーンと出て、かなり太っていました。毎日のように5~10杯のビールを飲んで、夜中の2時に蕎麦屋で3玉の大盛を食べるなんていう、とんでもない食生活を送っていました。仕事のストレス解消を、お酒と食べものに求めていたんです。
血圧は上が230で下が150。いつ倒れてもおかしくありません。不摂生の自覚はあって、時々病院で診てもらうこともありました。でもそれで多少生活を改善しても、継続できない。血圧の薬をもらっても、ちょっと経ったら「もう、やーめた」と、勝手に中断していました。
病気になって当然ですよね。でも、独り身だし、そんなに長生きしたいとも思っていなかった。「全部、どうなってもいいや」と投げやりに考えていたんです。発症したときも、「やっぱり、病気になってしまったな」と、冷静に受け止めていました。
意識が戻ると、体の右側が麻痺してしまっていて、寝返りも打てませんでした。体を曲げようとしても痛くてしょうがない。点滴と酸素ボンベが体につなげられて、車椅子で移動です。運ばれた翌日には、兄が飛行機で駆けつけてくれて、1週間も面倒を見てくれました。兄には、いまでも頭が上がりません。
それに、とにかく喉が渇くのが辛かった。看護師さんに「お水をいただけませんか」とお願いしても断られてしまう。「そこを何とか」と頼み込んだら、濡れた脱脂綿をもらえました。唇を濡らす程度の水分です。普通に飲めるようになったのは、搬送されてから3日後だったと思います。