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谷田孝子さんのSTORY 10年後の卒業証書。病気を通して知った、過去の自分、本当の自分

ありのままの自分を受け入れることができた

いまでは、自分を受け入れることができるようになったと思います。明確なターニングポイントがあったわけではありませんが、大きなきっかけになったのがヨガです。治療から5年くらい経ったとき、友達にある女性を紹介されました。彼女は乳がんと子宮がんを経験していて、リハビリの中でヨガに出会ってから元気になった。それで乳がん患者のためのヨガのインストラクターになったそうです。
ヨガには「人と比べない」「自分の呼吸に集中する」といった哲学があります。彼女の言う通りに一生懸命ポーズを取ろうとしていると、「そんなに無理しなくてもいい。ちゃんと呼吸して」って言われるんですね。
「人と比べたり頑張ったりしなくていい。いまの自分の状態に集中する」。これって自分を大切にするってことだって思えたんです。自分を大切にしない人、我慢しちゃう人ががんになりやすいといわれます。私はずっと、人の顔色を見て生きてきた。自覚はしていないけれど、自分は駄目な子だって思ってきたのかもしれない。でも、ヨガを知って初めて、できない自分でいいんだって思えた。ありのままの自分を受け入れられたんです。

ヨガを始めた2年前くらいにリンパ浮腫が出て、左腕が太くなってしまいました。浮腫が大きくならないように、当初は先生に言われたことをちゃんと守っていたけれど、いつのまにか気にならなくなりました。一生付き合っていかなければならないけれど、あまり重く捉えてはいません。利き腕ではないし、そんなに生活に困るわけでもありません。「自分がこれでいいんだったら、もういいや」って考えています。
髪の毛のことも、時間はかかったけれどやっと受け入れることができました。それまでずっと髪の毛の短い自分を、仮の姿だと思っていたんです。いつか髪が生え揃ったら元のヘアスタイルに戻せるって。いまでは堂々と、金髪のベリーショートで暮らしています。
ヨガに出会ったことをきっかけに、自分軸で考えられるようになりました。世間の目ではなく、「自分がこれでいい」と思えたら、それでいいんです。

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