千田律仁さんのSTORY 「もう一度だけ、チャンスをください」大切なことに気付いた“人生のやり直し”

「絶対に今日検査をしなければいけない」
2004年9月、家にかかってきた電話を妻が取りました。ただならぬ表情で、私を呼びます。電話を変わってみると、相手は病院の職員の方。私が数日前に受けた胃の検査について、「今日か明日にでも結果を聞きに来てほしい」と言います。検査結果を聞くのは、2週間後の予定だったのに。
私は幼少の頃から胃が丈夫ではなく、当時は年に1度のペースで胃カメラ検査をしていました。このときも半年前に胃カメラの検査をしたばかりでしたが、思い立って、また検査をしました。特に自覚症状があったわけではありませんが、なんとなく、検査をした方が良いのでは、と思ったのです。
いつもの病院に電話してみたけれど、土曜日で開いていませんでした。普通ならそこで諦めると思いますが、なぜか絶対に今日でなければいけないと感じた。近くの大きな病院に電話したら対応できるということで、午後に訪ねました。
はじめは、医師から「その状況であれば、まずは薬を出しますから様子を見ましょう」と言われましたが、どうしても今日検査をした方が良いと思い、なんとか粘ってその場で検査してもらいました。