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後藤昌之さんのSTORY 「諦める」のではなく「手放す」。ご機嫌に生きるための選択

自分で情報を得て、納得できる治療を選ぶ

前立腺がんになったのは、心筋症の疑いという診断を受けてから30年近く経った頃です。
ある日、血尿が出たのでかかりつけの病院でCT検査をしました。小さな結石が見つかって、それが影響しているかもしれないということでしたが、同時に前立腺が大きくなっていることがわかったんです。
定期観察のために、翌年から会社の健康診断のオプションでPSA検査(血液検査で、血中の前立腺特異抗原の量を測定する検査)を受けるようにしました。しばらくは基準値の前後をうろうろしていましたが、2年連続で高めの数値が出たときに、詳しく検査することになりました。
しかしCTやMRIの検査では、原因がわかりませんでした。お医者さんは「8割は大丈夫でしょう」と言いますが、やはり不安です。安心できるように確定診断をしてもらおうと、生検を受けました。
自分でも悪いものではないだろうと思っていましたが、あっさりと「がんです」と告知されました。それはもう、ものすごい衝撃です。
ただ、次の瞬間には「これからどうすればいいだろう?」と考え始めました。悲しむよりも、情報を得ることのほうが大切です。
告知された後に、前立腺がん以外に転移がないか、追加のCTと骨シンチグラフィを受けました。幸いなことにほかの場所への転移は発見されませんでした。
インターネットや書籍で前立腺がんについて調べる中で、グリソンスコアという前立腺がんの悪性度を表す数値について知りました。グリソンスコアは2~10で表され、数値が高いほど悪性。進行が早く転移や再発のリスクも高い。僕の場合、グリソンスコアは9でした。
悪性度の高いがんであることはわかった。それならば、グリソンスコアが高い場合の治療法はどんなものがあるのか。見つかったのは、トリモダリティといってホルモン治療と小線源療法、外部照射療法を組み合わせた治療法です。小線源療法とは、放射線を放出する小さな線源を前立腺内に挿入して、内部から放射線を照射するものです。
一方で、病院からはがんの全摘手術を勧められました。しかし、事前に得ていた情報では、グリソンスコアが高い場合、全摘手術だけでは再発の可能性が50%あるとされていました。それなのに全摘手術というのでは納得できない。その場で「セカンドオピニオンをしたい」と伝えました。
さらに調べると、トリモダリティに関する資料を公表している病院があり、治療法に詳しい医師がどこにいるのかもわかりました。そうして、現在までお世話になっている先生にたどり着きました。
そうしてトリモダリティを選択した結果、僕は現在まで楽しく生きています。医学的に、どちらが正しいとは言えません。しかし、やはり自分で情報を調べて、納得できる選択をするべきだと思います。

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