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宮本豊司さんのSTORY がんのことは考えない。 「待ってくれている人」との“つながり”に生きる

放っておいたら胆のうが3倍に

私の命は70歳までだそうです。胃の病気で死ぬ。10年ほど前に、占い師に未来について見てもらったときにそう言われました。

 

 占いを受けたのは、会社の先輩の話がきっかけです。先輩ががんを患い、抗がん剤の副作用で吐き気と闘っていたとき、途切れ途切れしか眠れない中で夢を見たそうです。モンゴルの武将の夢で、何度起きても、寝るとまた続きを見る。何か意味があるんじゃないかと思って、評判の占い師を訪ねました。すると、夢を言い当てられて、その武将は先輩の前世だと言われたそうです。

 

 それで、私も同じ方の占いを受けてみたんです。そんなに腕の立つ先生の言うことなら、信じざるをえないと思いました。当時、私は40代後半。70歳までなら、残り20年ちょっとの人生です。それから、「やりたいことを全部やろう」と考えるようになりました。

 

40年続けている演劇に加えて、小説の執筆や、農業、マラソン。いまも続けている多くの活動は、その頃に始めたものです。朝早くに起きて、野菜の水やりのために家から畑まで往復10キロを走っていました。シャワーを浴びて、小説を書いて、朝ご飯を食べてから出勤です。9時に会社に着くころにはもうへとへとでしたね。

 

胆のうに異常があるとわかったのは、2024年7月です。人間ドックのエコー検査で、通常の3倍ほどに肥大していることがわかりました。人間ドックは毎年受けていて、それまでにも胆のうの壁が厚くなる症状や、胆のう結石が見つかっていたんです。でも、経過観察の範囲でした。

 

この先胆のうがもっと悪くなるかもしれないからと、摘出を勧められたこともあります。胆汁は肝臓で作られるため、胆のうを摘出しても日常生活に大きな支障はないそうです。でも、手術を受けるなら1ヶ月くらい会社を休まないといけません。はっきり悪くなっているわけではないのに取ってしまうことにも抵抗があって、そのままにしていました。そうしたら、3倍の大きさになって見つかったんです。

 

でも、全然気にはなりませんでした。医師からは「悪性の可能性もあるかもしれないけれど、大丈夫でしょう」と言われていたし、自覚症状もありませんでした。後でわかることですが、胆のうがんは自覚症状が出づらく、かなり進行した頃に黄疸などの症状が出るそうです。

 

自分を過信していたのかもしれませんね。私はお酒が好きで、アルコールにも強い。あまり酔っ払わないから、焼酎のチェイサーにビールを頼むほど、たくさん飲んでいました。2019年からの5年間は、大阪から東京に単身赴任をしていて、特に羽目を外していたと思います。胆のうが肥大しているとわかったのは、大阪に戻った3ヶ月後でした。

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