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久田邦博さんのSTORY 「死ぬまで」が僕の人生。やりたいようにやっていく。

「満足の最期」を実感した夜

かつて、慢性骨髄性白血病は、骨髄移植をしなければ長期的には生きられない病気でした。僕は現在62歳。病気がわかってから24年間、元気に過ごせているのは、罹患した少し後に、この疾患に適した「グリベック」という新薬が承認されたからです。
罹患した当時は製薬企業に勤め、副社長になる夢もありましたが、病気によって夢は絶たれました。ただ一つ願っていたのは、長男が20歳になるまでの10年、どうしても生きたいということです。
月日が経ったある日、出張先のホテルでそれまでに経験したことのない気持ち悪さに襲われました。救急車を呼ぼうと受話器に手をかけたとき、頭の中に浮かんだのは「2011年9月1日」という日付。前日が、慢性骨髄性白血病が確定した日からちょうど10年だったことに気づきました。
僕は、持ち上げた受話器を元に戻しました。診断された当時、慢性骨髄性白血病は3年半で約半分の方が亡くなってしまう病気でした。そんななか、僕はどうしても10年生きたいと願いました。
そうして20歳を迎えた息子とお酒を飲むことができました。自分がやりたいことを、やりつくしてきました。「今日は感謝と祝福の日にしよう。もし、これがお迎えということなら、受け入れよう」と決め、ベッドで目を閉じて、今まで支えてくれた人を思い浮かべました。とても満足した気持ちでした。十分に生きたなあ。
すると翌朝、すっきりと目覚めました。昨夜の気持ち悪さは何だったのだろう。よくわからない出来事でしたが、確信を得ることができました。自分のやりたいように生きたら、満足した最期を迎えることができるんだなと。

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